「モンブランの万年筆が欲しい。」
目をキラキラさせて夫が私に言いました。
夫は万年筆が好きで、手帳は愛用のセイラーの万年筆で書いているようです。
文房具店に行くと、ガラスケースの向こう側に並んでいる万年筆を上からみたり、中腰で横から見たり、お店の人に出してもらったり、試し書きしてみたり。
普段から夫の万年筆への思いはわかっていました。
私はあまり万年筆に詳しくないのですが、モンブランくらいは知っていますよ。
高いやつですよね。
ただの筆記具がなぜそんなに高いのか、そしてなぜ欲しがるのか、男性の興味の深さには驚きます。
驚くと言ったら、万年筆はオークションでも何十万円とするのにも驚きです。
中古なのになぜこんなに?
新品の定価よりも高いんじゃないの?
すると夫は言いました。
「名品の万年筆はアンティークだから、古いものほど価値がついて高くなるんだよ」と。
結婚して10年。
思えば夫に何もプレゼントをしてあげられていません。
育児と仕事の両立におわれ、その忙しさに夫も巻き込んで、夫婦でただただ走りっぱなしの10年でした。
オークションで売っているような、何十万もするような万年筆は無理だけど、モンブランの万年筆を結婚10周年の節目として夫にプレゼントしてあげたいな、と思い始めたのでした。
モンブランについて
まず、この動画を観てみてください。
(日本語訳があるので観やすいです。)
【Hugh Jackman presents: The Montblanc Story – Pioneering since 1906. For the pioneer in you.】
モンブランのこの動画をみた瞬間、かっこいい!と感じました。
万年筆のブランドだから、クラシックをBGMに格調高めな動画かと思ったら、なんてスタイリッシュな動画なのでしょう。
動画の中に万年筆そのものはあまり登場していませんが、モンブランというブランドのイメージが一瞬で変わりました。
モンブランはドイツの名門ブランドであり、世界の万年筆トップブランドです。
「The Art of Writing」(書く芸術)と自負する通り、世界中に愛好家を抱える最高級ブランドです。
作家や職人、一般人など幅広い人々に愛され、憧れられています。
モンブランといえばこのシンボルマークです。
このシンボルマークは、ヨーロッパの最高峰であるモンブランの山頂に積もる雪をイメージしています。
ペン先には、モンブランの標高である「4810」の刻印が施してあります。
モンブラン万年筆はまずはコレをおさえよう
歴史もあり、世界中の信頼も厚く愛好家もたくさんいるモンブラン。
数々の名品を残し、今もなお芸術とも呼ばれる万年筆を世に送り出し続けているブランドですが、シリーズそのものは意外にシンプルです。
ここでは、モンブランで安定して売れ続けているシリーズをまとめていきます。
モンブランはコレクターも多いので、単純に比較ができないのですが、これらの中から選べば満足度を高く持てます。
マイスターシュテュック149
モンブランマイスターシュッテュック149は、万年筆の代名詞といっても過言ではない、有名な万年筆です。
1924年の誕生以来、多数の歴史的瞬間にも登場し、「調印式モデル」とも呼ばれています。
ペン先だけでも100の工程を経て作られており、そのペン先には18金にプラチナという贅沢な装飾がなされています。
大きな特徴は、丸みのある太い軸です。
太い軸は長時間書いていても疲れにくいというメリットがあり、安定した筆記を望めます。
またブラック・プレシャス・レジンと呼ばれるモンブランオリジナルの樹脂でできたボディは、光にかざすと美しく赤みがかって見えます。
【 The Montblanc Meisterstück Diamond Fountain Pen】
パトロンシリーズ
パトロンシリーズ(Patron of Art Edition)は、芸術や文化面において名だたる業績を残した人物に敬意を表して、モンブランが1992年以降毎年製作しているシリーズです。
モンブランの標高に合わせて4810本の限定で生産されています。
これまで、ルイ14世、アレキサンダー大王、カール大帝、アンドリュー・カーネギー、ニコラス・コペルニクス、女王エリザベス1世など名だたる人物の万年筆を世に送り出してきました。
以下の動画は、2013年に限定発売されたパトロンシリーズ「ルドヴィーコ・スフォルツァ・ミラノ公」です。
【 Montblanc Patron of Art Edition 2013: Ludovico Sforza】
作家シリーズ
作家シリーズは1992年から毎年発表されています。
世界の文豪に賞賛を表しています。
ヘミングウェイからはじまったこのシリーズは、アガサ・クリスティ、アレキサンドル・ディマ、ドストエフスキー、エドガー・アラン・ポー、マークトウェインなど、所有欲をくすぐる名品ばかりです。
この作家シリーズも限定生産のため希少性が高く、世界中のコレクターが目を光らせているものばかり。
私がオークションでみた、値段の高い中古の万年筆はこのシリーズだったようです。
作家シリーズは、その人気から先ほどのパトロンシリーズよりも、更に価値の高まるシリーズです。
店頭で買う?通販で買う?
ニブ(ペン先)はひとつひとつ手作業で作られるので、当然、個体差が生じます。
できれば専門店へ行って、在庫してある万年筆を出してもらい、試し書きをしてから購入した方が良いです。
通販も手軽ですし、届くのも早いので便利なのですが、自分の筆記時のクセや筆圧が関係して、合わないニブが届いてしまう可能性もあります。
最近は、通信販売でも1回限りペン先交換可能というショップもありますので、どうしても店頭へいくことができないときは、そういうサービスのあるショップで万年筆を検討するのもよいでしょう。
そのモンブラン、本物?
モンブランは偽造品が多い万年筆としても有名です。
きちんと本物を購入できるように、確実な手段で手に入れましょう。
直営店で購入が確実
モンブランの偽物の多さは有名です。
偽ヴィトンが存在するように、残念ながらモンブランの偽造品も多く出回っています。
とはいえ、以前ほど多くはないそうですが、まだまだ注意は必要です。
銀座にあるモンブラン本店などの直営店で購入するのが一番安心です。
モンブランは公式のオンラインストアもあるので、どうしても時間等の都合でショップへ出向けない時は、こうした通販を利用するのも便利です。
並行輸入品で少しでも安く購入したい
モンブランは他のブランドに比べると割引率は低いのですが、ネットショップや量販店で安く購入できることがあります。
この場合、「並行輸入品」といって正規ルートではなく別のルートで輸入し販売している可能性があります。
(その際は「並行輸入品」と近くに記載してあるはずです。)
並行輸入品は、修理やアフターなど保証面が正規と違うことが多いので注意が必要です。
並行輸入品なのに表示がないこともあります。
まずは確認してから、そこでの万年筆を検討しましょう。
偽物を買わないために
正規ルートでない場合、偽物もまざっている場合があります。
見た目が明らかに違えば、偽物として関税で没収されるはずなので、もし疑うのであれば構造です。
これはオークションに多く、新品で売っていたはずなのに中が汚れていたり、分解してみると構造が全く違っていたりします。
外見がモンブランで、中のリフィルやパーツが別のブランドということもあるそうです。
怪しいな、と思ったら買わないのが一番です。
本物と偽物の見分け方
本当にモンブランかどうかの見分け方があります。
上記の2.1で述べたように、モンブランの軸はブラック・プレシャス・レジンと呼ばれるモンブランオリジナルの樹脂でできています。
太陽のような強い光に当てると、レジンがほのかに赤っぽくみえるはずです。
偽物なら、黒いままです。
オークションで購入した際の参考にしてみてください。
まとめ
調べれば調べるほど、モンブランが世界中で愛されていることがわかりました。
万年筆の王様と言われるのも、芸術品と捉えられるのも納得です。
モンブランはそのネームバリューから、筆記具だけにとどまらず、持つ人のステイタスにもなっています。
モンブランの万年筆を持つことで、大人としての一歩を踏み出したり、ひとつの区切りを迎えることのお祝いにモンブランの万年筆が添えられたり、私のまわりではモンブランの存在が、実はたくさんあったことに気づきました。
歴史の動くときにモンブランの万年筆が使われていたように、夫の人生が動くときに私の贈るモンブランがそこにあったら嬉しいと思いながら、マイスターシュテュックをプレゼントしました。
男性にとって、モンブランは自信を持つための大きな武器になります。
モンブランは万年筆だけでなく、ボールペンやシャーペンもあります。
あなたも今後、パートナーのプレゼントを考える機会があったら、モンブランを検討してみてはいかがですか。
ちょっとした内助の功になりますよ。