メンズファッション雑誌をパラパラみていると、知らないブランドばかりで驚くことがありませんか?
時計やバッグのブランドは、女性と共通するブランドも多く、パートナーのコーデをするのにも安心してすすめることができますが、靴はどうでしょう?
もちろん、フェラガモのような男性、女性両方に有名ブランドとして名を馳せているブランドも存在します。
ですが、メンズ高級靴の有名ブランドと呼ばれている多くは、私たち女性には馴染みの薄いブランド名ばかりが並びます。
第一印象で最も大切な「身だしなみ」は、本人の思い込みだけに偏ってコーデをするのは危険です。
雑誌を参考にしたり、少し離れたところから女性目線で指摘してあげたりと、多角的な視点が必要になります。
ビジネススーツに似合う靴をパートナーと一緒に検討中は、メンズ雑誌のビジネスシューズ特集や、百貨店やセレクトショップに置かれているのを注意深くみると思います。
そこに、少しでもブランドの知識があるのとないのとでは、選ぶ基準が変わってきます。
履いているパートナーをイメージできるようになるのです。
もちろん、最終的には実際に履いてみて購入を決定しますが、数あるメンズシューズの中からチョイスするための時間を大幅に削減することができるのではないでしょうか。
そこで、ここでは女性には馴染みが少ないけれど、メンズシューズのブランドとして外せないものをピックアップしてみました。
どのブランドも、紳士靴として世界的に有名なブランドばかりです。
ぜひ、参考にしてみてください。
Santoni(サントーニ)
サントーニについて
サントーニは、1975年、靴職人アンドレア・サントーニが創業したイタリアの高級靴ブランドです。
紳士靴だけでなく、婦人靴や子供靴、アクセサリーも展開しています。
サントーニの特色
イタリアの靴ブランドでは、歴史は浅いですが、エルメスをはじめとする一流シューズブランドから依頼を受け続け、今では400人以上の職人とスタッフを抱えるほどに成長したブランドです。
その成長のおおきなきっかけとなったのは、1986年のレザースニーカー「メンフィス」の発売でした。
これは大人のレザースニーカーブームの火付け役となりました。
他の靴メーカーは、1〜2種類の製法がほとんどですが、サントーニはモデルに合わせて製法を変更する技術の広さがあります。
グッドイヤー・アルタッコと呼ばれる独自の製法をはじめとして、マッケイ製法、グッドイヤー・ウェルト製法、ベンティヴェーニャ、サンクリピーノなどです。
【#MySantoniColours】
Church’s(チャーチ)
チャーチについて
イギリスでトーマス、アルフレッド、ウィリアムの兄弟が設立した老舗ブランド。
メンズだけでなく、ウィメンズも展開しています。
世界ではじめて、左右の靴を作り分けたブランドとして有名です。
(それ以前は、左右同じ形の靴だったので、履き分けていませんでした。)
また、サイズも0.5センチ単位で分けたブランドでもあります。
チャーチの特色
チャーチは、グッドイヤー・ウェルト製法を採用しています。
グッドイヤー・ウェルト製法とは、複式縫いの手法で最後の工程である磨き上げまで、全部で250の工程でつくられます。
これは約8週間かかると言われています。
正統派英国靴ブランドとしての不動の地位を築き、日本では「ジョンロブ」「エドワード・グリーン」とともに、三大英国靴ブランドとして、憧れのブランドとしてされています。
品質の高さのわりに、値段が控えめに設定されており、日本だけでなく世界中で高い評価を受けています。
【CHURCH’S】
ALDEN(オールデン)
オールデンについて
オールデンは、1884年にチャールズ・H・オールデンによって設立された、アメリカの老舗ブランドです。
メンズ高級靴の代名詞なり、フォルムの美しさは世界中のセレブたちを魅了しています。
オールデンの特色
オールデンの魅力は、なんといっても履き心地の良さ。
足の形や、歩き方にクセのある人の足にもフィットする整形法を独自で開発しているので、すべてに最高級といっても過言ではありません。
履けば履くほど、自分の足に馴染んでくるので、足にのしかかる負担やストレスが大幅に軽減でき、一日中履いても疲れないトラディショナルシューズです。
特に土踏まずのあたり心地は、他のブランドには真似できないと言われるほど高評価を得ています。
【Leffot Presents – The Alden Tour】
John Lobb(ジョンロブ)
ジョンロブについて
ジョンロブは、1849年に靴職人のジョンがイギリスで創業された、英国王室御用達の名門の靴ブランドです。
世界有数のオーダーメイド靴ブランドの中でも、トップに立ち「
キング・オブ・シューズ」と高く評価されています。
ジョンロブは、自身の足に障害がありました。
「自分のような障害のある人でも歩けるような靴を作りたい」という思いもあり、革靴をつくりはじめたそうです。
ジョンロブの特色
ジョンロブは、ロンドンの金融街で働くビジネスマンをイメージしたというシティⅡが代表的です。
飽きのないオーソドックスなフォルムにも、世界最高峰の曲線美をふんだんに披露しています。
ジョンロブは、有名人も愛用していることで知られています。
石田純一さん、中井貴一さん、みのもんたさんなど。
映画でも『007 カジノロワイヤル』でダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドがジョンロブのヒールに発信機をつけていました。
誰が見ても「ダンディ」の言葉が似合う一生ものです。
ジョンロブは、百貨店でも手に取れますが、真剣に欲しいと思うのであれば、直営店へ行かれることをおすすめします。
日本には、東京、名古屋、大阪、福岡に直営店があります。
品揃えの豊富さでは、直営店の方がダントツ多いのでおすすめです。
【John Lobb – Care and repair】
Corthay(コルテ)
コルテについて
コルテは、1990年にピエール・コルテが創業したフランスのブランド。
ピエール・コルテは、ジョンロブやベルルッティで経験を重ねた後に独立しました。
コルテの特色
メンズ高級靴ブランドの中でも、デザインに優れているため芸術的な面での評価を得ています。
他のブランドでは施されないようなカッティングが、アート感を生み多くの人をリピーターにしてしまうことからも、コルテがいかに魅力的かを物語ります。
ベベルドウエストと呼ばれる製法によって、美しい曲線が仕上がります。
また、鷲のくちばしと名付けられたトウがコルテの「美」を象徴し、エレガントさがにじみ出ます。
日本では、東京青山、大阪、福岡に店舗を構えています。
【Corthay Contemporary Shoemaker】
Berluti(ベルルッティ)
ベルルッティについて
1895年に、フランス・パリでベルルッティが創業した高級紳士靴のブランドです。
代々、イタリア人のベルルッティ家によって受け継がれています。
伝統とクラシックをベースに、枠にとらわれない姿勢がアンディ・ウォーホル、ウィンザー公、ジャン・コクトー、カール・ラガーフェルド、イブ・サンローランなどの有名人を虜にしてきました。
ベルルッティの特色
ベルルッティの美しいデザインは、多くのセレブを魅了し続けています。
エレガント色が強めなベルルッティは、身だしなみ重視の仕度では、抜群の成果を果たします。
一方、エレガントさが強いため、営業で歩きまわる方へはあまりおすすめしません。
動きの多い職種の愛用者は、ベルルッティを数足履き回している人が多いです。
靴の宝石と呼ばれているベルルッティ。
仕事の帰りにちょっとしたパーティーがあったり、オシャレなレストランで会食があったりする場合は、ベルルッティが断然おすすめです。
【Berluti – Bespoke Shoes – Delivery (7/7)】
Aubercy(オーベルシー)
オーベルシーについて
1935年、レニー・オーベルシーとアドレア・オーベルシーが共同でフランス・パリにて創業。
アンドレア兄弟は、イギリス人のアルトゥーロ・ロペスというイギリス人にイギリス靴のノウハウを学びます。
1956年にイタリアへ工場を転移し、イギリスとイタリアの融合されたデザイン性を展開していきます。
オーベルシーの特色
1956年にイタリアへ工場を移したオーベルシーは、そこでイギリスで主流だったグッドイヤー・ウェルト製法を採用し、かつ、イタリアの美しいデザインを融合させました。
イギリス、イタリアの両方の良い部分を重ね合わせることで、オーベルシーのブランド力は更にアップしていきました。
イギリス靴の特徴である履き口の丈夫さ、そしてそこへイタリア靴の特徴である、デザイン性やトレンド性を組み込み、美意識の高い上質な紳士靴を提供しています。
【Aubercy – La Grande Mesure】
JOHNSTON & MURPHY(ジョンストン&マーフィー)
ジョンストン&マーフィーについて
ジョンストン&マーフィーは、1850年にウィリアム・J・ダッドリーによって設立された、アメリカの老舗ブランド。
アメリカの歴代大統領が愛用してきた靴ブランドとしても有名です。
ミラード・フィルモア大統領からはじまり、リンカーン大統領、ルーズベルト大統領、ケネディ大統領、ニクソン大統領、オバマ大統領に至るまで、全ての大統領の足元を守ってきた由緒あるブランドです。
日本でも天皇陛下の靴を任されていることで有名な、大塚製靴がライセンスを持ち、輸入販売を行っています。
ジョンストン&マーフィーの特色
ジョンストン&マーフィーは、グッドイヤー・ウェルト製法です。
踵を小さくして、土踏まずを狭めることで、靴の中で足をフィットして安定感を出し、足先を楽に保てるような履き心地の「コンタードインソール」と呼ばれる独自のデザイン手法を持っています。
また、日本人の足に合わせたラインや、四季がある日本の気候に合わせてつくられたラインもあり、上質でありつつも機能的な高級靴であることで、日本でも多くの人の支持を受けています。
【Johnston & Murphy’s Custom Select Factory – Nashville, TN】
EDWARD GREEN(エドワードグリーン)
エドワードグリーンについて
1890年、エドワードグリーンによって靴の聖地と呼ばれる「ノースハンプトン」で設立された、イギリスの老舗ブランド。
現在では、ジョンロブと並んでイギリスを代表するブランドとして世界中にファンを抱えています。
エドワードグリーンの特色
エドワードグリーンの大きな特徴のひとつに、新しく履きおろした直後から、すでにやわらかなは着心地を楽しめることが挙げられます。
これは、高品質の素材はもちろんのこと、一足一足熟練された職人の手によって、革をなめすのに4ヵ月、ソール部分の革は18ヵ月もなめすという手間がかけられていることから、成し遂げられています。
時間をかけて革をなめすことで浮き出る良さは、履き心地だけではありません。
他のブランドには出せない「タン」と言われている薄茶の色味は、エドワードグリーンならではの誇るべき特色なのです。
【Edward Green Handmade Shoes from England】
J.M.WESTON(ジェイエムウエストン)
ジェイエムウエストンについて
1981年にジェイエムウエストンによって、フランスで創業された100年以上続く名門中の名門ブランド。
イギリスのブランドと思う人も多いようですが、ジェイエムウエストンは、フランスのパリのファッション街に店を構えた人気ブランドです。
ジェイエムウエストンの特色
肉厚なダブルソールなため、ヘビーな履きこなしをしても長く履き続けることができる耐久性があります。
作りもとてもタイトで、フィットする履き心地が好きな方に特におすすめします。
ローファー、ゴルフ、ハントダービー、チェルシーブーツの4つのスタイル展開です。
サイズも4ミリピッチ、ワイズは6〜7種類あるので選びやすさも特徴です。
履き始めのフィット感が強めなので、愛用し続けていくうちに、靴が自分の足に合ってくるのを実感できるのも楽しみのひとつです。
【J.M. Weston: Le Savoir Faire】
まとめ
いかがでしたか。
もしかしたら、靴はレディスよりもメンズ向けの方が、老舗と呼ばれる由緒あるブランドの数が多く健在しているのでは、とさえ感じます。
それだけ、男性にとってビジネスシーンでの靴の役割は、大きなアイテムになっているのでしょう。
「女性のオシャレは手元から、男性のオシャレは足元から」とはよく言いますが、足元をきちんと固めてこそ、パートナーの自信に繋がっているのかもしれませんね。