さて、問題です。
「余の辞書に不可能の文字はない」
この言葉で知られる、フランスの軍人、政治家、そして皇帝へとスピード出世した人物といえば?
・・・そう、ナポレオンですね。
卒業までに通常4年かかるとされる士官学校をたったの11ヶ月で卒業。
ナポレオン率いる軍は連戦連勝、民衆から熱烈な支持を受け、見る見るうちに皇帝へと駆け上った話は世界中の誰もが知るところです。
そんな歴史的人物ナポレオンは、こんな言葉も遺しています。
「人はその制服どおりの人間になる」
そう、あなたは、今あなたが着ている服装のような人になるのです。
あなたの人生は、あなたが身に着けているもので決まります。
一流のものを身につければ一流の人生が、二流を身につければ二流の人生が訪れます。
妥協した服装は、妥協した人生を引き寄せます。
・・・あなたの身につけているものは一流でしょうか?
とは言っても、スーツに、靴に、バッグ、腕時計、それにシャツ、ネクタイ、下着、筆記具・・・
たくさんある仕事道具。
そのすべてを一流品にするのは大変なことですよね。
まずは何から優先したほうがいいのでしょうか?
数ある中でも特に優先すべきもの、それは靴です。
スーツ文化発祥の地、ヨーロッパでは、10万円あれば7~8万円は靴にかけ、残りの2~3万円をスーツに使います。
圧倒的に靴に力を注ぐのです。
なぜ靴にエネルギーを注ぐのでしょうか?
それは、靴はいつもあなたの体重を支え、そして汚れがつきやすい部分だからです。
よほど気を遣っていないと、靴をきれいに保ち続けるのは難しいことです。
多くの人が疎かにし、気を抜くとすぐに汚れてしまう部分だからこそ、一流の靴を履き、それをいつも綺麗に保っておく人は一目置かれるのです。
また、良い靴はスーツを高級品に魅せる効果もあります。
なので、まずは靴に力を注ぎましょう。
そして、一流の靴を履いたあなたは、一流のサービスを受けることになります。
一流のサービスにふさわしい人間だと判断されるのです。
ヨーロッパのレストランや高級ホテルでは、必ずゲストの靴をチェックします。
丁寧に磨き込まれた靴を履いているゲストのみが上座に案内され、一流の接客でもてなされます。
傷んだ靴を履いている人は相手にされません。
靴は、少し気を抜くとすぐに汚れ傷んでしまいます。
そんなデリケートな部分にまで気がつく人なのかどうか、常に人に見られていることを意識できる人かどうか、判断されているのです。
細かなところまで手入れが行き届いている人=細かなところまで人を見ている人。
磨き込まれた靴を履いている人は、気の抜けないお客様であり、それゆえ一流のサービスを提供されるのです。
そして、一流のサービスを体感したあなたは、さらに感性が磨かれることでしょう。
一流の靴を履き、一流のサービスを受けることで、あなた自身も一流の人間になるのです。
とはいえ、あなたが下品にならないために・・・
磨き込まれた一流の靴履いたあなたは、一流のサービスを提供されるようになりますが、一流ブランドなら何でもいいわけではありません。
一流の人は、あなたが「細かなところにまで意識がいく人かどうか」を見ているのです。
ブランドの靴を履いているだけでは、「そのブランドの靴を履いている人」で終わりです。
もちろん一流ブランドの靴には、それに見合った質・感性が宿っていますが、それはあくまで、そのシーンに適したデザインの靴を履き、丁寧に手入れされていることが前提です。
一流の人が靴にこだわる理由、それは果てしない一流の人間へと向かう道標なのです。
ところで、そもそもなぜ一流の人間を目指すのでしょうか?
それは、まわりの人に気持ち良く感じてもらうためです。
身の回りの人に不快な思いをさせないために、気持ち良い思いをしてもらうために、一流を目指すのです。
決してあなたのためだけではないのです。
そこで今回は、一流の履きこなしをするための、いまさら人には聞けない靴の基本をまとめました。
「ビジネスに適した靴ってどんなの?」
「結婚式とか、葬式とかも、普段の革靴でいいの?」
「えっ?ベルトと革靴の組み合わせって、そんなルールがあったの!?」
大事だけど、家庭や学校では教わることのなかった革靴のマナーをご紹介します。
デキるビジネスパーソン必見です。
靴選びの基本知識(コレを外すと下品になる5つのポイント)
一口に革靴と言っても、実に様々なスタイル・デザインのものがあります。
内羽根、外羽根、ストレートチップ、プレーントゥ・・・どんな場面でどんな靴を履いたらいいのか迷ってしまいますよね。
結婚式では?パーティでは?仕事では?
この項では、基本となる「スタイル」「デザイン」「使用シーン」「製法」「コーディネート」の5点をご案内します。
これら5点を外すと、どんなにブランド品を履いても下品になってしまいます。
まずは、靴選びの基本を知り、あなたに適した靴の選び方をマスターしましょう。
スタイル
内羽根式(バルモラル)
靴ひもを通す穴をあけている部分(羽根)が靴の内側にくっついているタイプです。
外羽根式と見比べてもらうことで、違いがよくわかると思います。
19世紀の中頃、英国のヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がスコットランドのバルモラル城でデザインしたことが名前の由来といわれます。
外羽根式(ブラッチャー)
羽根が靴の外側に取りつけられているタイプです。
外羽根式は内羽根式よりもカジュアルな印象です。
実際に履いてみると、外羽根式の方が楽に脱ぎ履きできるかと思います。
1810年、プロシャ軍のブリュッヘルが軍靴用に考えたといわれています。
デザイン
ストレートチップ
つま先(トゥ)部分に1本線が入っているものがストレートチップです。
写真は内羽根の黒いストレートチップで、革靴の中でも最もフォーマルなタイプです。
内羽根の黒いストレートチップはあらゆる場面で活躍します。
プレーントゥ
つま先に一切飾りがないタイプです。
シンプルなデザインなので、ビジネスシューズとして人気があります。
写真のものは、外羽根のプレーントゥですね。
歩きやすさを考えると、仕事用の革靴には外羽根のプレーントゥが最も無難で使いやすいかと思います。
ウイングチップ
つま先にWの形をした飾りが入っています。
仕事用にも使用できますが、ストレートチップやプレーントゥに比べ、カジュアルな印象です。
パーティーやジャケットに似合い、冠婚葬祭や就職活動には避けたほうが無難です。
モンクストラップ
ベルトで結ぶタイプの靴です。
写真のものはシングルモンクと呼ばれるタイプで、バックルが2つのものはダブルモンクと呼ばれます。
これもデザインにクセがないので、仕事用にも使いやすいです。
修道士(モンク)が履いていた靴が原型となっていることからこの名で呼びます
Uチップ
つま先にUの字の縫い目が入っている靴です。
どちらか言えばカジュアルよりの靴ですが、ビジネスシューズとしても履けます。
シーンに適したデザイン選び
革靴にはデザインによって、向いているシーン、不向きなシーンがあります。
まずは、ビジネスシーン、結婚式などシーン別に、基本となる靴の選び方をご紹介します。
ビジネスシーン
ストレートチップやプレーントゥ、ウイングチップ、またはモンクストラップの革靴で、色は黒または茶が基本です。
逆に不向きなのは、スウェード生地の靴やUチップの靴です。
スウェードやUチップだとカジュアルになり過ぎる場合があります。
結婚式
ストレートチップ、またはプレーントゥが基本です。
色は黒が基本ですが茶系の革靴も場合によっては許されます。
親族の結婚式やスピーチを頼まれている場合は黒を選び、ゲストの場合や二次会では茶系でも大丈夫です。
不安な場合は黒を選べば間違いありません。
不適切な靴はクロコダイル柄やブーツタイプの靴です。
動物の皮や毛を連想させるものは殺生をイメージさせ、結婚式では縁起が悪いとされています。
通夜・葬式
黒色の内羽根ストレートチップ、もしくはプレーントゥの革靴が適しています。
不適切な靴はクロコダイル柄のような動物を連想させるものです。
また、金属の飾りのある靴(モンクストラップ)やエナメル系など、カジュアルなものも不適切です。
パーティー
黒のストレートチップやプレーントゥが基本です。
カジュアルな会場の場合は、茶系やローファー、ウイングチップも大丈夫です。
製法選び
ここでは代表的な製法を4種類ご紹介します。
製法によって、履き心地やメンテナンス、デザインが変わってきます。
製法ごとの特徴を知り、街歩きの多少や天候などによって使い分けましょう。
ハンドソーンウェルテッド製法
オーダーメイドの革靴製法で、インソールには3.5~5mm程度の厚い革が使用されます。
このため、履きこむことで、足の形に馴染み、フィットするようになり、疲労の少ない革靴となります。
ハンドソーンウェルテッド製法はグッドイヤーウェルト製法と違い、ソール交換しても中底はダメージを受けず、足に馴染んだ中底を保つことができます。
グッドイヤーウェルト製法
ハンドソーンウェルテッド製法を基本に機械化させた製法のことです。
グッドイヤーウェルト製法でつくられた靴は、丈夫で耐久性に優れ、ソールがすり減った場合にはソールごと交換することが可能です。
また、リブの内部にコルクがたっぷりと詰められているため、コルクが足裏の形に馴染み、長時間履いても疲れにくい革靴です。
短所としては、製造コストが高いことや比較的重い靴になるといったことが挙げられます。
マッケイ製法
構造上柔らかい革を靴にすることができるため、履き始めから履き心地がいい製法です。
また、軽くてデザイン性の高い靴をつくることができ、そのデザイン製の高さからイタリアブランドの多くが取り入れている製法です。
グッドイヤーウェルテッド製法に比べ、作業行程が少ないため、安価に製造することができ、また通気性の良さが特徴です。
短所としては、クッション性に乏しいことや薄い革のために堅牢性に欠け、型崩れしやすいことが挙げられます。
また、靴底に縫い目があるので、そこから水が侵入しやすく、雨には弱めです。
セメンテッド製法
接着剤でアッパーとソールを直接固定する製法で、最も簡単な製法です。
ミシン行程がなく、製造コストが安いため、安価な靴が多いです。
ソール交換が困難なため、ほとんどの靴が使い捨てとなります。
合わせたスーツが安っぽく見えることもあり、できれば避けたほうがいい靴です。
縫い目がなく、防水性は高いので、雨天時用にセメンテッド製法の靴を用意しておくのはアリかもしれません。
ただ、逆に言えば、縫い目がないため通気性は悪く、蒸れやすいです。
コーディネート編
靴選びの基本の最後にスーツやベルトとの合わせ方をご紹介します。
あなたの使用シーンに合わせてせっかく靴を選んでも、今あるスーツやベルトに合わなければ意味がありません。
スーツやベルトとの組み合わせの基本をご紹介します
スーツとの合わせ方
スーツの色のトーンに合わせるのが基本です。
黒のスーツには黒の靴が基本です。
ネイビーやライトグレーのような明るいスーツには、茶系も違和感なく合わせることができます。
ベルトとの合わせ方
靴とベルトを同系色に合わせること、生地の質感を似たものを選ぶのが基本です。
例えば、ツヤツヤの革靴にスウェードのベルトという組み合わせは、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
黒の革靴には黒の革ベルトを、茶系のスウェード靴には茶系のスウェードベルトを合わせるようにしましょう。
一流ビジネスパーソンの試し履きチェックポイント5つ
「革靴もスニーカーと同じサイズで大丈夫?」
「つま先はぴったりのものを選んだほうがいいの?」
自分の足に合った革靴選びの5つのチェックポイントを解説します。
お店では履いてみるだけでなく、実際に歩いて確かめてみましょう。
遠慮は無用です。
何足も履いて、履いて、履いて、試しましょう。
最低10足は実際に履いてみて、履き心地の違いを体感しましょう。
一流の男はフィッティングにも妥協しません。
Aつま先
つま先と指の上部のゆとりをチェックします。
足は歩くときに靴の中を前後しますので、1~1.5cmほどのゆとりが欲しいところ。
余裕がない靴を履いた場合、タコや魚の目の原因となってしまうこともあります。
しかし、サイズが大きいものは選ばないように注意しましょう。
というのも、革は足に馴染んで伸びてくるからです。
サイズの目安としてはスニーカーよりも0.5~1cmほど小さめのものが適しています。
B靴幅と足の甲
甲まわりが自分の足にフィットしているかをチェックします。
フィットしていない靴だと、長時間歩いた場合に疲れやすくなってしまいます。
目安としては、甲の革が足の形に張り出す場合、靴が小さめですのでサイズアップをオススメします。
または、つま先に体重をかけた際に、甲の革に深いシワが刻まれる時は靴幅が大きいという目安です。
C土踏まず
ベストな状態は、土踏まずのアーチ部分がかるく足に触れている程度です。
土踏まずがフィットしていない状態で歩くと、靴の形が崩れてしまいますし、疲労しやすくなります。
Dくるぶし
くるぶしが吐口に当たっていると、擦れて痛くなり歩きにくくなります。
E踵
まず、踵がフィットしているかをチェックします。
緩いと歩くときに踵が浮いて歩きづらいですし、窮屈だと痛みの原因になります。
踵のフィット感、ゆとりのチェック方法は、足をつま先の方へ押しつけた際の、踵と靴の間の隙間をチェックします。
小指の第一関節程度まで入る隙間があれば大丈夫です。
長く付き合うためのシューケア
「靴を磨きなさい。そして、自分を磨きなさい」
世界最高級紳士靴メゾンBerluti(ベルルッティ)の4代目デザイナー、オルガ・ベルルッティの言葉です。
いつも自分の体重を支え、足を守ってくれている靴。
すぐに汚れてしまうものだからこそ、いつもピカピカに磨いておくことで、あなたの印象が輝きます。
足元はあなたの心の鏡です。
靴磨きの基本
まず、靴磨きの基本的な方法を紹介します。
いい革靴はお手入れをすることで、10年、20年と履き続けることが出来ます。
ぜひ今日からさっそく靴を磨き、そして自分を磨きましょう。
道具
①馬毛ブラシ
②豚毛ブラシ
③クロス2種
④布
⑤汚れ落とし
⑥靴墨
⑦ワックス
5ステップ
①靴の埃を払う
馬毛ブラシのような柔らかめのブラシを使って、靴の表面、側面(コバ)など、隙間に入り込んだ埃や砂などを払い落とします。
②汚れ落としで靴全体を拭く
汚れ落としを布に取り、靴全体を拭き、汚れや古い靴クリームを落としていきます。
③靴墨を塗りこむ
布に靴墨を取り、全体に軽く伸ばし、その後、豚毛ブラシを使ってブラッシングし、靴全体に塗りこんでいきます。
④余分な靴墨を取り除く
豚毛ブラシでよく塗りこんだら、クロスを使って余分な靴墨を取り除きます。
写真右の靴が④靴墨まで塗り終えたもの。
写真左の靴は②の汚れ落としのみ。
ツヤが出てきました。
⑤ワックスでつま先と踵に光沢を出す
お好みで行ってください。
クロスでワックスをつま先と踵に塗り光沢を出します。
光沢を出すのはつま先と踵だけにしましょう。
皺の部分にワックスを塗ってしまうと、ひび割れの原因になってしまいますし、全体をテカらせるのは下品だとされています。
つま先と踵だけにさり気なく光沢を出すのが上品です。
光沢の出し方のコツ
①: クロスを指に巻きつけ、クロスをかるく湿らせる
クロスに皺がよらないように、ピンと張るように指に巻きつけましょう。
ワックスを付ける前にクロスをかるく湿らせておきます。
水を含ませすぎると、光沢を出しづらくなるので、ほんのり湿らせる程度で大丈夫です。
②: クロスにワックスを付ける
③: 円を描くように塗る
④: つま先に軽く水分を含ませつつ、ワックスを塗る
⑤: ②~④を2~3回繰り返しましょう。
写真右がワックスまで完了したものです。
写真左はワックスを塗る前の状態です。
ワックスを塗ることで、光沢が生まれ、もちもちした見た目になりました。
雨に濡れた靴のお手入れ
4ステップ
①汚れを落とす
靴に付着していり埃や泥を乾いたタオルなどで優しく拭き取りましょう。
靴の表だけでなく裏側の汚れも落とし、細かい部分も綿棒などを使って優しく拭きとります。
②靴の中を拭く
中敷きがある場合は外し、靴の内側も拭き取りましょう。
靴の中のちょっとした汚れも、濡れることで臭いのもとになります。
靴先も拭きにくいとは思いますが、布を細い棒などに引っ掛けてしっかり拭き取りましょう。
*靴専用消臭スプレーがある場合はここで使います。
③靴に詰め物をする
丸めた古新聞の他、ティッシュを詰めたソックスなどを用いて水分を取ります。
靴の形を整えつつ詰めて、陰干しをします。
型崩れ防止のために、完全に乾ききる前に詰め物を取り出し、シューキーパーを入れましょう。
④「基本の靴磨き」をする
靴が十分に乾いたら、クリームやブラシを使って普段のお手入れをしていきましょう。
水に濡れた手がヒビ割れてしまうように、濡れた靴も放おっておくとヒビ割れてしまいます。
クリームを塗って、しっかり栄養を与えてあげましょう。
やっちゃいけない要注意ポイント
①ドライヤーは使わない
急激な温度差で靴の材質が収縮し型崩れの原因になります。
焦らずゆっくりと自然に乾かしましょう。
②翌日は履かない
毎日履き続けるのは大きな負担となるので、何足かローテーションさせましょう。
雨に関わらずローテーションさせるのが長く履くためのポイントです。
もしもの雨に備えて・・・
もしもの雨に備えて、普段から防水スプレーをかけておくことをオススメします。
しかし、革用、布用、合成皮革用、スエード用など、素材によってスプレーは異なりますし、変色の可能性もあるので、目立たない場所でテストをして慎重に使用して下さい。
また、最近ではビジネスに適したレインブーツもあるので、雨に備えて1足用意しておくといいかもしれません。
革靴にとって雨は天敵です。
雨に濡れてしまった場合はその日のうちにお手入れをし、1足を大事に長く楽しみましょう。
革靴と永く付き合うために必ず使いたいシューキーパー
「シューキーパーってなに?」
「何のために使うの?」
「どのレベルの革靴から必要なの?」
シューキーパーの基本から解説していきます。
シューキーパーの主な役割
型崩れ防止
シューキーパーは、靴の型崩れを防ぐのに最も適した器具です。
脱いだ靴に入れておくだけで、靴が反ってしまったり、甲にシワが入りヒビ割れたりするのを防ぐことができます。
湿気除去
足は、一日でコップ一杯分もの汗をかくと言われています。
一日中履かれることで、靴は水分を吸い込んでいます。
水分は革を傷める原因になります。
木製のシューキーパーは吸湿性に優れており、靴の中の水分を排出し、靴の劣化を防ぐことができます。
防臭・防カビ
靴は基本的に洗うことが出来ないため、悪臭やカビが発生しがちです。
抗菌作用を持つ木製シューキーパーであれば、ある程度防臭・防カビ効果があります。
シダーウッドのシューキーパーが代表的です。
シューキーパーの使い方
靴を脱いだらすぐに入れる
基本的に靴を脱いだらすぐにシューキーパーを入れるようにします。
そうすることでなるべく早く除湿します。
しかし、シューキーパーがプラスチック製の場合は除湿に適していないため、その限りではありません。
また、雨で濡れた場合も、靴が水分を多量に吸い、シューキーパー以外の処理(例えば、新聞紙による脱水)が必要です。
特に、バネの力が強いシューキーパーの場合は、水分により柔らかくなった革が伸びてしまう可能性があるため、注意が必要です。
シューキーパーを入れたまま保管する
基本的には、靴を保管する際にはシューキーパーを入れっぱなしにします。
しかし、バネの力が強い場合や靴に対して大きすぎるシューキーパーは靴を変形させる可能性があるため、長期保存には適していません。
シューキーパーのお手入れ
定期的に天日干しします。
しばらく使っていると、シューキーパーが湿気ってしまい、吸湿性能が下がってしまうことがあります。
これを防ぐため、週に一度程度天日干しをオススメします。
また、シダーウッドの場合は、紙やすりでほんの少し表面を削ることで香りが復活し、抗菌作用が高まります。
シダーウッド以外の木製キーパーの場合、アロマオイルを噴射することで抗菌作用を高めるという方法もあります。
シューキーパー見本
シューキーパーには、上の見本の「仕様」のように、ネジ式やバネ式があります。
バネ式はバネの力でテンションを与えて靴の形をキープするタイプです。
「グッドイヤーウェルト製法」の靴に向いています。
ネジ式は自分でちょうど良いサイズに調整して仕様することができます。
「マッケイ製法」の靴に向いています。
また、シープレザーやスウェードの靴もバネ式でテンションを与えてしまうと伸びてしまう恐れがあるので、ネジ式がオススメです。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ビジネスパーソンなら誰もが履く革靴。
いくら一流ブランドの革靴を履いても、革靴の基本となるマナーを理解せずに履いてしまっては、下品になってしまいます。
もちろん、一流のブランドはそれ相応の質があり、優れた感性が宿っています。
一流ブランドの靴を履くことで、あなたの感性も研ぎ澄まされることでしょう。
しかし、それは靴のマナーを心得ているという前提があってのこと。
ぜひ、靴のマナーを身につけ、靴に履かれる人ではなく、靴を履きこなす人になってください。
最後にイタリアの靴の格言をご紹介します。
「いい靴を履きなさい。いい靴はあなたを素敵な場所へ連れて行ってくれる。」