あなたは、腕時計の「ムーンフェイズ」という機能をご存知でしょうか?
雲に隠れている夜を除き、毎日のように夜の空に彩を与えてくれる「月」。
その「月」の満ち欠けを、腕時計の文字盤にある小窓に表示する機能が「ムーンフェイズ」です。
「ムーンフェイズ」は文字盤をおしゃれに飾るだけでなく、その日の「月」の満ち欠けがわかるので、「今晩は満月か〜」などと、その日の「月」を思い浮かべることもあるかもしれません。
この記事では、そんな「ムーンフェイズ」を装備する腕時計を3つご紹介します。
あなたのお気に入りの「ムーンフェイズ」が見つかるかもしれませんよ!
パテック・フィリップ(PATEK PHILIPPE)
グランド・コンプリケーション
「パテック・フィリップ」は1839年にスイスで、ポーランド人のアントニ・パテックとフランチシェック・チャペックにより創業された高級時計ブランドです。
1844年に創業者のパテックが、自社製品を博覧会に出品するためパリを訪れた時に、リューズを巻き上げて時計を合わせる機構を発明した、ジャン・アドリアン・フィリップと出会い、翌1845年にフィリップが入社しました。
同年、自社初の懐中時計「ミニッツリピーター」を製作し、この時計は小説家のレフ・トルストイや作曲家のフランツ・リストなどが購入しています。
「ミニッツリピーター」のほか、「パーペチュアル・カレンダー」など創業当初から複雑な機構の時計作りを得意としているブランドで、とんでもなく高価な腕時計を作っていることでも知られています。
ムーブメントから自社一貫生産している数少ない「マニュファクチュール」の一つで、「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「オーデマ・ピゲ」と並び、世界三大高級時計メーカーの一つとされています。
長い歴史の中で、イギリスのヴィクトリア女王を始め、アルベルト・アインシュタインやウォルト・ディズニー、チャイコフスキーなど、数多くの著名人に愛用されています。
モデル「グランド・コンプリケーション」は手巻き機械式ムーブメント「キャリバーCH 29-535 PS Q」を搭載、クロノグラフ、永久カレンダーなどを装備する、ブランドの技術を結集したモデルです。
カラーは、ホワイトゴールドの文字盤がホワイトとブルー、ローズゴールドの文字盤がホワイトの3種類がラインナップされています。
IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)
ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー
「IWC」は1868年にスイスで、アメリカ人時計職人のフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズとスイス人のヨハン・ハインリッヒ・モーザーにより創業されたブランドです。
アメリカの先進技術とスイスの職人技術の融合をコンセプトとして創業されたブランドで、創業当初、まず懐中時計で評価を得ました。
このことから日本でも高級懐中時計ブランドとしてよく知られていました。
1915年には、自社初の腕時計専用ムーブメント「キャリバー75」を開発しています。
1936年には、自社初の「スペシャル・パイロット・ウォッチ」を発表しました。
1939年には、ブランドを代表するモデル「ポルトギーゼ」が発表されています。
1950年には、自社初の自動巻き機械式ムーブメント「キャリバー85」を開発し、特許を取得しています。
1967年には、史上初の20気圧(200m)防水機能付きダイバーズウォッチ「アクアタイマー」を発表しました。
スイスの高精度時計の証明となる、「クロノメーター規格」には参加せず、さらに厳しい自社規格を設け、高精度・高機能な自社製ムーブメントを数多く開発・製造してきているなど、品質や精度にこだわりが強いブランドです。
日本製クォーツ時計が台頭してきた時代、コスト削減のため、他社製(エタ社製)のムーブメントを使用していた時期もありましたが、現在では自社製と他社製両方のムーブメントを搭載するモデルをラインナップしています。
このモデル「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー」は、自社製自動巻き機械式ムーブメント「キャリバー52610」を搭載、理論上575,5年に1日しか狂わない永久カレンダーの「パーペチュアル・カレンダー」などを装備するIWCの代表的なモデルです。
基本設計が優れていて、部品や仕上げにもコストをかけているため、メンテナンス次第で新品購入時の精度を長く保てる腕時計です。
ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)
ジラール・ペルゴ1966
「ジラール・ペルゴ」は1791年にスイスで、ジャン・フランソワ・ボットにより創業されたブランドです。
世界で初めて腕時計の量産を始めたメーカーとして知られています。
1867年と1889年の「パリ万国博覧会」で金賞を受賞した「スリー・ゴールドブリッジ・トゥールビヨン」は芸術性の高い時計で、現在でも世界中の時計マニアに人気が高いモデルです。
日本のセイコーがクォーツ式時計を開発していたのと同じ時期の1969年に、「ジラール・ペルゴ」もクォーツを開発していて、翌年1970年にはスイスで初めて、クォーツ式時計の量産を始めています。
ムーブメントから自社一貫生産している「マニュファクチュール」の一つで、その自社製ムーブメントを他社ブランドへ提供しているなど、長い歴史の中で積み上げてきた技術には定評があり、スイスの時計業界でも際立った存在のブランドです。
このモデル「ジラール・ペルゴ1966」は、自動巻き機械式ムーブメント「キャリバーGP03300-0110」を搭載、特許を取得している独自技術のカレンダー機能「ラージデイト機構」などを装備した、シンプルなデザインに「ムーンフェイズ」が映えるモデルです。
まとめ
以上、「ムーンフェイズ」が特徴的な腕時計を3つご紹介しました。
超高級腕時計の「パテック・フィリップ」、厳格な自社規格の元に高品質な腕時計を作り続けている「IWC」、200年以上の歴史があり、シンプルなデザインながらも高級感が漂う「ジラール・ペルゴ」と、それぞれスイスを代表する名ブランドです。
あなたもこれらブランドごとに違う趣がある「ムーンフェイズ」を堪能してみてはいかがでしょうか。