ホテルのフロントで、
手袋をはめたままスーツの内ポケットから万年筆を取り出しサインをする。
ヨーロッパの映画などに登場する、
さりげなくかっこいいシーン。
また、ジャケットやコートの胸ポケットに
無造作に挿された、レザーグローブ。
ちょっと野性的でセクシーです。
男の色気をさりげなくかもしだす、ダンディアイテム。
手になじんだ上質な手袋も、そのひとつと言えるのではないでしょうか。
今日はスーツに似合う手袋と、ブランドの紹介です。
スーツに似合う理想的な手袋とは
スーツに似合う手袋と言えば、やはり革手袋。
そして理想的な革手袋は、はめたままポケットのコインを出すことができたり、
筆記用具を自在に扱えたりするほど、手にフィットしているものがよいとされています。
革手袋の素材
手袋に適した素材を紹介します。
ペッカリー
南米の熱帯雨林に生息する野生の猪豚の革。
厚みがあるのにやわらかく、
水汚れにも強く硬くなりにくいので、手袋にたいへん適した高級皮革です。
ディアスキン
ディアスキンとは鹿革のこと。
きめ細かくやわらかいという特徴があります。
こちらも手袋に適した皮革のひとつです。
ヘアシープ
成羊の革。
薄くやわらかくなめすことができ、使い心地は最高です。
ゴートスキン
山羊革のことです。
触り心地がサラッとしなやかでやわらかく、
しかも耐久性が高いとされています。
スウェード
豚、牛、羊などの革の裏面をサンドペーパーで起毛したなめし革のことです。
毛足が短くやわらかなものほど、高級品とされています。
スーツに似合う手袋、ブランド3選
イギリス、イタリア、フランスから信頼のブランドを紹介します。
英国紳士のダンディズム、デンツ(DENTS)
1777年に設立者ジョン・デント氏がはじめて
一組の手袋をカッティングし、自社の名のもと創業。
天才的な革の鑑別と裁断技術で作り出されるデンツの手袋は、
手にしていることを忘れてしまうほどのフィット感をもつことから、
「シークレットフィット」と呼ばれ、名声を得ています。
1953年エリザベス2世の戴冠用手袋。
また、007シリーズ「スカイフォール」「スペクター」で
ジェームズ・ボンドが使用した手袋も、デンツ社製です。
イタリアの伊達男御用達、マドヴァ(Madova)
1919年にアメディオ・ドニーニ氏によって創立。
イタリアを代表する革手袋のブランドです。
フィレンツェにある工房で、いまも職人たちのハンドメイドで生産されています。
マドヴァの作る手袋は、まるでイタリアシャツのようなフィット感と色気があります。
人間国宝がつくりだすフランスのエレガント、コース(CAUSSE)
1892年にポール・コース氏が創立したフランスのブランド。
日本と同じように、フランスにも伝統工芸を推奨する国から認定された人間国宝が存在します。
コース家はその一族で、現在は四代目が伝統技術を継承しています。
また、コースは多くの婦人服ブランドとコラボして、
カール・ラガーフェルドやマドンナというスーパースターの手も飾っています。
「グローブとは、第二の皮膚である」。
という言葉のとおり、手に吸いつくような一体感は、
フランスらしい上品な色気を感じさせます。
まとめ
手にフィットした上質な手袋は、さりげなく男の色気をかもしだすもの。
・ダンディな紳士なら、手にしていることを忘れてしまうほどのフィット感をもつ
「シークレットフィット」と呼ばれる、イギリスの老舗、デンツ(DENTS)。
・粋な伊達男なら、まるでイタリアシャツのようなフィット感と色気がある、
イタリアのマドヴァ(Madova)。
・インテリジェンスに富んだ男性なら、
手に吸いつくような一体感と上品な色気を感じさせる、
フランスのエレガント、コース(CAUSSE)。
手袋というアイテムを、あなたのスーツスタイルに加えてみるのはいかがでしょう。