ノリがきいたワイシャツに
センスの良いネクタイ。
折り目がキチンとついたスラックスに足元は、
磨き込まれた革靴。
もちろん、ジャケットも
シワひとつなくゴミやホコリがついていない。
でも、座った瞬間、パンツの裾から白いソックスがチラリと見える…。
そういう「残念」なビジネスマンに出会う機会は少なくありません。
営業など人と会う仕事をしている男性にとって、
スーツの身だしなみは第一印象を決める大切な要素です。
しかし、靴下というあまり意識が向きがちではない部分にまで、
気を使えているビジネスマンは意外と少ないです。
「そんな細かいところまで見ている人なんているかな?」
と思われるかもしれませんが、
相手が企業の社長や幹部といった地位が高い人ほど、
ビジネスマンをたくさん見ていますので、
「コイツは細かいところまで意識が行き届く人間か?」という品定めをしています。
スーツ姿の靴下という身だしなみで後回しにされがちな部分ほど、彼らは目を光らせています。
では、どういった靴下を選ぶのが正解なのか。
今日はスーツのおける正しい靴下の選び方をご紹介したいと思います。
白は絶対にダメ!
スーツにおける最大のタブー
「スーツの時に白い靴下はダメ」
これはほとんどの方が知っているスーツ着用時のマナーではないでしょうか?
でも、学生時代は白の靴下を履くようにと言われていたのに、
スーツ姿になるとなぜ急に白い靴下がタブーになるのでしょうか?
その理由に迫ってみたいと思います。
白がダメな理由
スーツに白の靴下がNGな理由には、歴史的背景があります。
スーツはイギリスで生まれ、軍服がルーツとされています。
スーツを着用するような職種とは、実際に戦地に赴く兵士ではなく、
内勤職であったため、彼らの足元の靴は当時のフォーマルシューズサイドゴアブーツでした。
当然、ブーツのため、
スーツの裾から足元にかけて同じような色で統一感が保たれていましたが、
次第に軍隊以外の人間もスーツを着用するようになりました。
足元もブーツではなく、くるぶしが見えるような靴を履くようになったので、
足元の色の統一感を保たせるため、スーツと同じ色の靴下を履くようになったのです。
この頃から、スーツ着用時には、足元の色に統一感を持たすため、
靴下はスーツと同じ色である黒やネイビーやグレーといった
靴下を履くことがマナーとして定着しはじめました。
世界でこのマナーの定着を決定づけたのは、
イギリスを始めとするヨーロッパの人間がアメリカ大陸に進出したことがきっかけとなります。
アメリカ大陸に上陸したヨーロッパ人は黒や紺に染めた靴下を履いていましたが、
現地の奴隷に支給する靴下は白やベージュといった
もともとの素材に色をつけていない靴下を支給しました。
征服する側の人間と奴隷とを差別するために、
征服者の証であるスーツ着用者は黒や紺の靴下を履くという決まりが
そのままマナーとして定着したのです。
他にもある靴下のNG
スーツの色と合っていない色の靴下
白の靴下がNGな理由は足元の色に統一感がなくなるからでした。
ですので、靴下はスーツの色と合わせるのがマナーになります。
スーツには黒・ネイビー・グレーがよく使われる色なので、
おのずと靴下もこの3色から選ぶことが多くなります。
赤や緑といった靴下もオシャレですが、「スーツの色と合わせる」という
マナーに照らし合わせると正しい着こなしとはいえません。
派手な柄
靴下は無地が良いですが、柄の入った靴下を選ぶなら柄が目立たないものを選びましょう。
ただ、控えめ柄といってもビジネスシーンで、ストライプの靴下はNGです。
ストライプは冠婚葬祭のときに着るモーニングコートに履く靴下として使われるからです。
また、ブランドのワンポイントが入っているような靴下も避けましょう。
素肌が見える靴下
座った時に素肌が見える靴下はNGです。
くるぶしまでの長さしかないスニーカーソックスは論外です。
また、いわゆる「ソックス」と呼ばれるふくらはぎまでの長さのものだと、
ずり落ちて素肌が見える可能性があるので、
ひざ下までの長さがあるハイソックスがおすすめです。
まとめ
「見た目が9割」といわれるくらい、身だしなみはビジネスマンにとって大切です。
スーツやシャツ、靴といった部分はもちろん、
靴下という意識が行き届きにくい細かいところにまで
意識が行き届いていると、好感度も高くなります。
なにより、靴下だけスーツの色とかけ離れていたり、
ゴムが伸びきったりしているような靴下ではカッコ悪いですから、
靴下にも気を使ってオシャレをしていきましょう。