ポール・スミスと聞いてどんなデザインか思い出せなくても、実際にそのデザインを見れば、知らない人はいないでしょう。
カラフルなマルチカラーのボーダーは、あまりにも有名です。
世界的に有名なデザイナー、ポール・スミスですが、今回この記事を書くにあたり調べた結果、その人物像もなかなか魅力ある男性であることが分かりました。
今回は今なお世界を股にかけて活躍する、ポール・スミスの世界をご紹介します。
最後まで読む頃には、あなたもきっとポール・スミスのファンになり、一つくらいは彼の作品が欲しくなっていることでしょう。
ポール・スミスという人物
ポール・スミスは1946年、7月5日イギリスのノッティンガムに生まれました。
少年の頃から人一倍独立心の強かった彼は、自転車レーサーで身を立てようと15歳で自主退学します。
毎日特訓を重ね、奮闘していた矢先事故に遭い重症を負いました。
半年もの入院生活でレーサーへの道を断念することを余儀なくされ、退院した後は、途方に暮れてパブに入り浸りますが、そこで美術生と出会い、アートの世界でさまざまな仲介という仕事に携わることになります。
20歳で結婚、一気に2児の父となったスミスは、ノッティンガムでテーラーの店員時代にオーナーから場所を借り受け、他の仕事と掛け持ちしながら細々と店を始めました。
これが礎となり、1970年、24歳にしてポール・スミス・リミテッドを設立。
4年間で仕事を通してデザインやビジネスについて学び、「やがてロンドンのファッション業界では噂されるほどになった」と本人自らが証言するほど精力的に活動しました。
そして1974年には「ブラウンズ社」の専任コーディネーター兼デザイナーとして採用されました。
そこでも彼は大きく貢献し、ブラウンズ社の名声を高めます。
それと共に自分のオリジナルブランドを立ち上げることを決意、ノッテンガムに大きな店を出しました。
初めに作った自分のブランドロゴ入りのシャツを買ってくれたのは、ニューヨークの有名店『バーニーズ』のオーナーの息子でした。
ポール・スミスは彼が宿泊しているホテルを聞きつけ、熱心に営業し、200枚の購入契約を取り付けたのです。
その後もパリのホテルの一室で展示会を何度も催すなど、営業活動をこなし、着実に実績を重ねていきました。
彼のすごいところは、招待状の準備、営業から生産の工場手配、梱包発送から請求書づくりまでを、すべて一人でこなしていたことです。
1979年、あちこちに足を運んで資金調達をし、元バナナ倉庫を買い取ってコベントガーデンにて初めてのショップを開きました。
現在では隣接する店を買い取って広げていき、4店舗並んだブロックになっています。
その後ロンドン、東京、ニューヨークに次々とオリジナルショップを出店し、1989年には英国の有名百貨店『ハロッズ』に、ハロッズ初の単独コーナーショップを出しました。
2000年にはデザインへの勲功として、エリザベス女王からナイト爵位(SIR)の称号を授けられました。
ポール・スミスのデザイン
ご存知の通り、ポール・スミスはインテリア、服飾から文房具など、幅広く手掛けていますが、映画のポスター、ライカ、ランドローバーとまでコラボレーションしているのをご存知でしたか?
その明るくポップな色使いは、どのジャンルにおいても、世界を魅了してやみません。
1995年、ロンドンのデザインミュージアムで開催されたポール・スミスの展覧会「Paul Smith True Brit」。
1998年には日本でも、東京、神戸そして福岡で開催されました。
この展覧会ではポール・スミスのオフィスや自宅から、あらゆる物を持ちだし、色鮮やかでウィットに富んだ、個性的なものとなりました。
子どもの頃に自己に遭った時の折れ曲がった自転車や、子どもの頃の成績表、デザインの全工程を見せるベルトコンベアまで、ポール・スミスの人生そのものを展示しているかのような盛りだくさんな内容でした。
この展示会は、ポール・スミスのモットーである、 「”You can find inspiration in everything; if you can’t find it then you’re not looking properly” (すべてのものからインスピレーションを得られる。
もしそれができないのなら、それは正しく物を見ていないからだ)」をまさに表現していたと言えます。
2016年1月、惜しまれながらこの世を去ったミュージシャン、デヴィッド・ボウイの28作目となるアルバム『★(ブラックスター)』の記念Tシャツ。
ポール・スミスとデヴィッド・ボウイは長年親交を深めた間柄でした。
世界一有名と言っても過言ではない、四輪駆動車「ランドローバー・ディフェンダー」。
その生産が終了するにあたり、デザインしたものです。
27色もの色を使い、個性的な1台だけの特別バージョンをプロデュースしました。
ライカ×2 ポールスミスエディション。
世界限定1,500台で、丸の内や渋谷のポール・スミスのショップ、および東京の一部のライカストアでも取り扱っています。
ポール・スミスのカフリンクス
ポール・スミスは広く知れ渡り、親しみやすいブランドのひとつです。
30代でポール・スミスの作品からデザイナーズブランドに入ったという人も多いのではないでしょうか?
確かに財布やキーアクセサリーなどは持っている人も多いかもしれませんが、カフリンクスはどうでしょうか?
カフリンクスというアイテムそのものは、ちょっと敷居が高い、と思っている人も多いはず。
そこでポール・スミスのモダンで親しみやすいデザインの登場です。
日頃扱いなれているブランドのものなら、初めてのアイテムでも入りやすいですよね。
デザインもマルチカラーだけではなく、「これもポール・スミスなの?」というような素敵なデザインがたくさんあります。
こちらの小花柄は、レースを思わせるようなはかなさですね。
ガラスとレーザーによる加工で繊細なパターンを表現しています。
タイバー、ネックレスも同デザインで展開しているので、セットでの着用が可能です。
玉虫色の光沢を放つのは、細くカットして埋め込まれたアワビ貝です。
上品で美しいカフリンクスです。
ポール・スミスの代名詞、マルチエポデザインのモデルです。
非常に細い溝を掘り、その中にマルチカラーのエポを埋め込んだ繊細なカフリンクスです。
カジュアルにも、かっちりとしたビジネスライクなスーツにもコーディネートしやすい作品です。
こちらもマルチエポのカフリンクスですが、モノトーンなのでまた違った表情です。
エポキシ樹脂を使用してマットな仕上がりにしているため、シックな装いにぴったりです。
タイバー、ネックレス、リング、キーリング、マネークリップと同デザイン展開しています。
ジオメトリックパターン カフリンクス。
ニットで使用した、円が交差した幾何学模様をイメージされています。
繊細なパターンをレーザー加工によって表現しています。
まとめ
ポール・スミスは一からビジネスの工程をすべて学び、それをアートという形に結集させている類いまれなデザイナーです。
そして野心家でもある彼は、今でもきっと、新しいアイデアを思いついて目を輝かせていることでしょう。
彼の10代からの「やりたいことをやる」という、一見普通に見えてなかなか真似のできない信念や情熱は、人の心を動かすデザインとして今後も躍進していくことでしょう。
そんなパワーに賛同した人が、世界中でファンとなり、ますますポール・スミスの原動力となっていくのかもしれません。
あなたもこのパワーにあやかり、袖口からポール・スミスデザインのカフリンクスを覗かせてみてはいかがでしょうか。