シャネルが初の自社製ムーブメントを搭載した、手巻きモデルを発表しました。
初めての自社製ムーブメントなら、シンプルに3針が通常ですが、シャネルはいきなり複雑機構を選択。
超一流のブランドは最初から、超一流の創造性を発揮してくるのでしょう。
そんなシャネルの本気が感じられる機械式時計、ムッシュードゥシャネル。
常に本気のビジネスパーソンにこそ、ふさわしい時計ではないでしょうか。
ムーブメント
今までのシャネルのシースルーバック腕時計といえば「J12」。
この時計はオードマ・ピケのムーブメント「Cal.3120」が搭載されていました。
しかし、今回シャネルは自社製のムーブメントを5年の歳月をかけて開発。
そして驚かされるのは、初めてのムーブメント開発であったにもかかわらず、シンプルな3針をやめ、いきなり複雑機構を選択してきたこと。
いきなり複雑機構というのは、時計業界ではめったにお目にかかれないパターン。
超一流ブランドは卓越した技術力とアイデア、創造性で本気をアピールしてきたと言えるでしょう。
複雑機構
では、どんな複雑機構があるのか見てゆきましょう。
(1)ジャンピングアワー
文字盤6時方向に設けられた8角形の小窓。
針で時刻を表すのではなく、デジタルの数字を時刻に表示します。
ジャンピングアワーと呼ばれる所以は、時刻を表す数字が一瞬で切り替わるから。
(2)レトログラード
フランス語で「逆行」を意味します。
分針の動きが特徴的。
通常の時計であれば、分針は回転運動をおこない、時計の中をぐるりと一周します。
しかしレトログラードは、左の「0」の始点から動き始め、右の「60」の終点に到達すると、再び始点に分針がビュンと戻る、反復運動を行います。
(3)文字盤のバランス
「常に余計なものは取り除きなさい。
付け足しは絶対にいけない。」
シンプルなものほど、美しいバランスを取ることは難しいもの。
そこをやってのけたのが、シャネルの本気ではないでしょうか。
文字盤や時刻を示す数字には、シャネルのクリエイションスタジオが、この時計のために独自にデザインしたものを使用しています。
ムッシュードゥシャネル
複雑機構でありながら、見た目はシンプル。
リュウズやバックルには、シャネルの不屈の精神と力強さを象徴する「ライオン」があしらわれています。
ムッシュードゥシャネルの開発においてシャネルは、デザインと技術に同等の価値を求め、それを融合させました。
その答えが、自社製ムーブを使ったこの腕時計です。
まとめ
本気な人にこそピッタリなシャネルの腕時計。
なんと言っても、身に着ける人だけが時刻を読むことができる、時計とオーナーとの確かな絆を思わせる小窓のアイデア。
大きさも40mmと程良い大きさなので、パーティーでもエレガントにおさまります。
今回の新作でシャネルはムーブメントの製作をやってのけました。
ということは、これからはデザインの自由度が増えるということ。
根幹になる部分は、自分たちでしっかりと作り上げる。
そしてビジネスの展開の自由度を上げて成功をつかむ。
本気のビジネスパーソンにしかわからない、この考え方を取り入れたシャネルの腕時計。
似合うのは、本気のあなたの腕しかないと思います。