鞄や靴、ベルトに財布など、大人の男性なら誰もが少なからず身につけている革製品ですが、その素材となる革の中でも、特に牛革はポピュラーな存在です。
しかし、ひとえに牛革といっても、素材のもととなる牛の性別や年齢、使われている部位などが異なっていて、光沢感などの革表面の見た目や手触りなど、それぞれ特色があります。
この記事では、革製品のなかでも、とりわけビジネスパーソンによく使われている長財布について、代表的な3つの牛革をご紹介します。
この中から、きっとあなたにぴったりな牛革長財布が見つかりますよ!
ボックスカーフ
ドイツの「カールフロイデンベルク社」が開発したのが発祥で、現在では、他社でも作られるようになっています。
ボックスカーフの原皮は、牛革の中でも最高級の部類に入るカーフ(生後3から6ヶ月以内の仔牛)で、素材原価は、ブライドルレザーよりも高く、希少価値のある皮革と言えます。
ボックスカーフは、薄く、柔らかく、キメが細かいのが特徴で、他のカーフに比べると、張りがあり、硬く頑丈なため、傷がつきにくいです。
鉱物から精製されたクローム化合物を「なめし剤」として使い、皮を革にする「クロームなめし」と呼ばれる作業を短時間で行うことにより、ボックスカーフができあがります。
最小限の仕上げ加工により、革本来の風合い(筋やシワなど)が残っていて、表面の光沢感(艶)や色鮮やかさが魅力的な革です。
ボックスカーフは、使っていく上での経年変化が少ないので、購入時の高級感を持続させたい人には向いている反面、革の醍醐味の一つとも言える、使い込んでいくごとの経年変化を楽しむ、という点では物足りなく感じる人もいるかもしれません。
もともとボックスカーフは、「シボ」と呼ばれる四角形(ボックス)のしわ模様が施されていたのが、名前の由来とも言われていましたが、その後、「シボ」が水平の細い線状のものや、「シボ」が滑らかになっていて、表面がツルツルのものまで、種類の幅が拡がりました。
ボックスカーフは、主に革財布や紳士靴などに使われています。
CYPRIS COLLECTION 長財布(マチなし束入) ボックスカーフ
素材 ボックスカーフ(フランス産)
サイズ 幅190mm 高さ90mm 厚さ10mm
札入れ1 ポケット2 カード入れ6
日本製
ブライドルレザー
もともとブライドルレザーは、高い強度が求められる、馬具(ブライドル)に使用する革として開発されました。
ブライドルレザーの原皮は、ステアハイド(生後2年以上の去勢された雄牛の皮)で、なかでももっとも硬い部位のショルダーを使用しています。
植物の樹皮などから抽出した水溶性化合物(タンニン)を使い、皮を革にする「タンニンなめし」と呼ばれる作業をした後に、「蜜ロウ」を時間と手間をかけて、何度も丁寧に塗り込み、革に染みこませて作られます。
そのため、ブライドルレザーは、完成までに半年もの期間を要する、手間もコストもかかる天然皮革となっています。
また、硬く丈夫な革質のため、縫製には高い技術が要求されます。
こうしてできたブライドルレザーは、耐久性に優れ、頑丈なため、大きな傷がつきにくく、汚れにも強い革となっています。
「蜜ロウ」を塗り込んでいるため、新しいブライドルレザーは「ブルーム」と呼ばれる白いロウの粉が表面に浮き出ていますが、使っているうちに取れていくとともに、革の表面は非常に艶のある光沢感となっていき、革特有の経年変化が楽しめます。
高級感があるためスーツやブレザーと相性がよく、ビジネスシーンに最適で、男性に人気があります。
ETTINGER OH086AJR WALLET
素材 ブライドルレザー
サイズ 幅180mm 高さ100mm 厚さ10mm
札入れ3 ポケット1 カード入れ8
イギリス製
ミネルバボックス
イタリアにある、世界的にも有名な「バダラッシカルロ社」で製造されています。
ミネルバボックスの原皮は、カウハイド(生後2年以上の雌牛の皮)です。
ミネルバボックスは、10世紀に渡る長い歴史を持つ、イタリアの伝統「バケッタ製法」で作られています。
「バケッタ製法」とは、植物の樹皮などから抽出した水溶性化合物(タンニン)を使い、皮を革にする「タンニンなめし」と呼ばれる作業をした後に、牛脚の脂をじっくりと時間をかけて皮に加え、手染めを施していく、といった非常に時間もコストもかかる製法です。
ミネルバボックスの最大の特徴は、製造工程できる革表面の「シボ」で、革の自然な表情が楽しめます。
たっぷりと牛脂を含んでいるため、柔らかく、しっとりとした、触り心地の良さが特徴です。
使い込んでいくごとに、マットな質感の表面が色濃くなり、光沢が出はじめる、といった天然皮革ならではの経年変化が味わえます。
COCOMEISTER Martini Urban Wallet
素材 ミネルバボックス
サイズ 幅190mm 高さ95mm 厚さ22mm
札入れ1 ポケット4 カード入れ15 ファスナー付き小銭入れ1
日本製
まとめ
以上、牛革の代表的な素材と長財布を3つご紹介しました。
それぞれ原皮となる皮の種類、なめし方法や仕上げ加工などが異なっていて、革の柔らかさや質感、見た目などに特色があります。
そんな牛革長財布のなかから、あなたの好みに合う、納得の一品をお選びください!