今でこそ、誰もがあたりまえのように履く革靴ですが、もともとは欧州文化であり、日本にはなかったものです。
日本の革靴ブランドをさり気なく支え、歴史を刻んできた日本の革靴ブランド。
彼らの存在が無ければ、現在の日本の革靴はありえません。
今回は、日本の革靴文化を担ってきた代表的な3ブランドをご紹介します。
大塚製靴
大塚製靴は1872年 (明治5年) 創業の皇室御用達ブランドです。
創業以来、西洋靴という新しい文化を日本に定着させてきました。
創業した当時は、日本にはまだ西洋靴を履く習慣はありませんでした。
その当時から、本場西洋の靴に遜色ない靴作りを目指し技術習得に邁進し、1889年(明治22年)にはパリ万国博覧会において、出品した靴が銀牌の栄誉に輝きました。
創業わずか17年足らずで、世界のブランドに肩を並べる技術力を誇り、現在も「伝統の継承と進取の精神」をテーマに飛躍しづけているブランドです。
1922年(大正11年)には、高級紳士靴の製法を代表するグッドイヤー式製靴機械を取り入れ、それまでのハンドメイドだけでなく機械靴製造を開始することで、製靴業をひとつの産業へと牽引していきました。
高度経済成長期には自社ブランドの開発に力を入れ、現在もウォーキングシューズの代名詞となっているボンステップ生み出す他、海外ブランドとも提携を進め、バーバリーやグレンソンといった世界トップブランドも販売し現在に至っています。
REGAL(リーガル)
1902年(明治35年)創業の日本を代表する革靴ブランドです。
日本ブランドの中で最も知名度があり、信頼感、安心感は圧倒的なものがあります。
「靴を通して、お客さまに、足元から美と健康を提供する」ことをミッションに、日本の靴文化を発展させてきました。
ビジネスからカジュアル、高級靴まで、幅広くカバーしています。
リーガルは様々なブランドを展開していますが、SHETLANDFOX(シェットランドフォックス)は高級靴路線、KENFORD(ケンフォード)は弟分という位置づけで展開しています。
今でこそ、靴の製法といえば、グッドイヤーウェルテッド製法が主流となっていますが、これは1961年にアメリカの「リーガル・シュー社」と技術提携を結んだことから伝わりました。
そして、この「リーガル」の名を継承され、現在の「リーガル・コーポレーション」へと至ります。
名実ともに、日本の足元を支えてきたリーガルですが、これからは企業ミッションにあるとおり「日本人の足元を健康に、美しくする」ことを目指して、日本の革靴文化に歴史を刻んでいきます。
madras(マドラス)
1921年(大正10年)名古屋にて創業された亜細亜製靴株式会社が前進です。
65年にイタリアのマドラス社と技術提携を行い、83年にマドラス株式会社に商号を変更しました。
マドラス社はイタリアのバレンチノ・ピコロットが46年に設立し、イタリアの代表的な靴ブランドへと成長しました。
94年に全世界におけるマドラスの商標権を譲り受け、現在に至ります。
マドラスは日本人の体格にフィットする靴、日本の気候にふさわしい靴づくりを追求するとともに、その歴史からわかるように、イタリアの伝統的な靴を日本に伝えてきました。
アメリカ、イギリス靴を日本に伝えたリーガルに対して、マドラスはイタリア靴を日本に伝えたブランドとして、日本の靴文化を確かに発展させたブランドです。
まとめ
日本に西洋靴文化を定着させた大塚製靴。
アメリカ靴を浸透させたリーガル。
イタリア靴の伝統を伝えたマドラス。
彼らの存在が無ければ、今の日本の革靴文化はありえないと言っても過言ではないでしょう。
時には革靴の歴史、文化に思いを馳せ、ルーツをたどってみるのはいかがでしょうか?
そんな靴選びもオシャレです。